SOCIAL MEDIA WEEK 「ニコニコ動画から見るメディア変革」メモ


世界12カ国で同時開催されているというソーシャルメディアウィークが、今回日本で初開催されることとなったらしいので、東京は講談社さんの方へ、何回か聴講に行った。今回は、一昨日とったノートを個人的な感想と一緒に簡単にまとめてみる。


1.ニコニコ動画から見るメディア変革 (杉本氏)

ニコニコ動画の広告収入はそんなに多くない。基本的に利益回収は広告とは別の場所で行なっている。しかし、ここ最近で数字も伸び、軌道に乗りつつあるので、もちろんこれをムダにするようなことはしない。

ニコニコ動画はそもそも「動画配信サービス」ではない。つまりyoutube,ustream,gyaoなどとはほとんど競合しない。
ニコニコ動画がユーザーに提供しているのは、「動画コンテンツ」ではなく、そこ(コンテンツ視聴)にいる発信者(うp主)を含めたすべてのひとびとのつながりや交流である。つまり、ニコニコ動画は視聴されるコンテンツではなく、参加される場である。動画といった文脈にコメントというテキストを与えて、コミュニケーションを成立させる。このコミュニケーションは動画の持つ時間軸に対応しており、実にインスタントな「擬似リアルタイム性」としておもしろいユーザー体験を与える。また、コメントが擬似リアルタイム的に蓄積することで、いくつものリアルタイムが本来の時間軸(普段生活しているもの)のなかに生まれ、それを摂取するためにユーザーは何度も同じ動画に足を運ぶ。この効果がニコニコ動画にとってとても大切。



・ユーザーは主に20代。(スライドに書いてあった数字には20代の二人に一人がニコニコ動画ユーザーと書かれていた)
ユーザーを年代別に分けてみると、どうしても40代以上がウィークポイントとなるが、しかしこれはニコニコ動画に限った話ではなく、他のwebサービス全体に言える課題である。今の20代が40代となった時、どうなているか。コンテンツもユーザーも、まだまだ伸びしろはあるのではないか、これからはより普及していくと見ている、とのこと。

・運営側はユーザーを3つのタイプに分けている。タイプAは投稿者、直接ニコニコ動画内にコンテンツをアップロードする、アクティブなユーザ。Bはコメント者、動画をアップロードするほどではないが、積極的にコメントし場を盛り上げる。Cは視聴メインのユーザー、コメントはほとんどしないが、動画のチェックは比較的アクティブに行なっている。数で見ればA